2024/08/13
瞬く間にゴールデンウィークが過ぎ、
すなわち2024年の三分の一が終わったことに呆然としているリーダーのIです。
今回はかの有名な古典文学を無料で読めるサイト「青空文庫」より、
おすすめの短編作品を挙げさせていただきます。
最後の一作以外、数分で読める超短編ばかりです。
『ごんぎつね』で全日本人の心にトラウマを刻んだ新美南吉の、
これまたキツネ作品。
しかしこちらはほのぼのやんわり優しい世界です。
誰も死なないのでどうか信じて読んでみてください。
可愛くて優しい、たいへん癒される一篇です。
ただ「冬向きだなぁこれ」とは選んでいて思いましたが……
初出1954年。
芸術家とも美食家ともいわれる魯山人の、評論…? のようなもの。
内容が格別優れているというより、
こんなのも青空文庫に載ってるんだなあという
特別枠で選抜した一篇。
わりと毒舌です。
1954年のグルメ日本人がこんなこと言ってたんだなあ、と
不思議な感慨に浸れます。
ギャグ枠。
「あなたは文藝春秋九月号に私への悪口を書いて居られる。」
の出だしでもう笑ってしまう。
そして言うほど悪口でもないという。
「作者の生活や文学観を一杯に盛っているが、私見によれば、
作者目下の生活に厭な雲ありて、才能の素直に発せざる憾みあった」
太宰を評価しつつ、
私生活のせいでその実力が出し切れていないのではないか…という
どちらかというと心配のように感じられるのですが、これに対して太宰が
それはそれはキレ散らかしたのがこの『川端康成へ』でございます。
こんなもん書いてる暇があったら兄に借金を返せと誰もが思う。
「刺す。そうも思った。」を経て最後、川端に反省を促して終わります。
なんなのか。
初版は1841年。世界初の推理小説です。探偵はオーギュスト・デュパン。
ポーよりもその名を借りた江戸川乱歩のほうが親しまれている日本ですが、
少しでもミステリに興味があるなら読んでおいて損はなし。
正直、現代の感覚で読むと「えっ!?」というオチ。
世界初のミステリはこんなもんだったんだな、と認識しておくと
ある程度ショボい推理小説に出会っても許せる……と思います。たぶん。